ホントはやなこと、マジでやめてみた

今夜の名言
がんばって何かを克服する必要も、自分のケツを叩く必要も、期待も、「もっと〇〇な自分にならなきゃ」って焦りも、「変わらなきゃ」っていう思い込みも、ぜーんぶポイで。 だって、そんな必要ないんだから。今のままで全然大丈夫。

『ホントはやなこと、マジでやめてみた』(アレクサンドラ・ラインヴァルト/作家・プロデューサー)より

「おぼろ月夜に名言さんぽ」。このブログの存在を知ってもらおうと、Twitterを始めてみたけれど、わずか数週間でアカウントを削除することに……。

「Twitter始めました。ブログ初心者です」なんて書こうものなら、よく分からない人からフォローされ、フォローを返すと、メッセージでよく分からないビジネスに誘われる。

おぼろ月

な、なんだこの世界は! 怖いし、めんどくさい。情報はどんどん流れてくるし、大切な時間が奪われていくみたい

もちろん、自分がほしい情報もあるけれど、それは自分から取りに行きたい。勝手に入ってきて、心を支配されるのは嫌だ。

そう感じながらも、流れてくるツイートを見ると、「わたしも何かつぶやかないと」「反応しなきゃ」と焦りのような気持ちがある。なんでだろう?

(上手にTwitterと付き合って、大切な人とのつながりや重要な情報だけをゲットする方法もあるだろうけど、わたしには無理みたい)

そんなとき読んだのが、この本。

あぁ、そうか。わたしの中の「もっと〇〇な自分になりたい」という気持ちを刺激されるから、Twitterは疲れるんだ。うん。納得。

世の中の多くの人は「もっと仕事で成功したい」「ダイエットしたい」「ポジティブになりたい」などの願望を持っている。そして、その悩みをうまく利用したビジネスが多く存在する。

自己啓発系のワークショップ、ビジネスセミナー、資格の講座、自分磨き、スピリチュアル……。流れてくる情報や広告は、「一緒に夢を叶えよう!」とキレイな言葉を並べても「今のあなたでは駄目ですよ」と言っているよう。(逆に「今のあなたをまるごと愛しましょう!」系のセミナーもあるけど)

この本は、ついがんばりすぎて自分のお尻をペンペン叩いてしまう人に読んでほしい。

心が望むことだけ残して、あとはスルー

この本の著者も、世間の「こうあるべき」という考えを気にしながら生きてきた。でも、ある面倒な友人との縁をバッサリ切ったことから――

『自分が心から望むことだけ残して、それ以外はすべて捨てちゃう。そうしたら、いったいそこにはどんな幸せな人生が待っているんだろう?』

という実験を始めてみるのだ。

・外見を、スルーしてみた
・「助けてあげたい症候群」を、スルーしてみた
・義母への猫かぶりを、スルーしてみた
・頼まれごとを、スルーしてみた
・ママ友を、スルーしてみた
・「相手をすべて理解したい」を、スルーしてみた

などなど。気がつかないうちに「いい人」を目指してしまう読者にとっては、ハラハラするような実体験が記録されている。

読み進めてみると「やっぱりわたしには無理かも」と思える行動もある。でも、この著者自身が本来はとても繊細な人で、人目を気にするタイプ。誰にでもはっきりモノ申す人間ではないからこそ共感が持てる。

「あぁ、言っちゃった」と思いながらも、自分の言いたいことが言えた爽快感が綴られいるので、わたしも勇気を出してみようかなと思わせてくれる。

上辺ばっかりのやりとりは、ただの芝居

「義母への猫かぶりを、スルーしてみた」の章では、これまで著者が「義母に気に入られたい」という感情からかなりの無理をしていたことが語られている。例えば、義母が来る日には家じゅう大掃除して、プレゼントされた品をさり気なく飾っておくなど。

でも「いい嫁のフリはやめる」と決めた著者はある日、掃除も料理もせず、孫の世話も義母に任せっきり、普段なら隠しておく泥酔写真も飾ったまま。恥ずかしい写真を見られて、その状況を白状することに。

また、「料理上手な嫁」を装うために置いてあったハーブの鉢も、「捨てちゃいました」と正直に告白。そこで義母から「あなたは、普段あまり料理をしないのかしら?」というツッコミが入る。

「ウソでごまかしたい!」という衝動をこらえ、正直に料理はあまりしないと答えると……

義母は声をあげて大笑い(!?)。なんと「わかるわ、わたしもよ」なんて言うのだ。完璧な良妻賢母で、最高に美味しいロールキャベツを出してくれた彼女が、ウソでしょ?と驚く著者。

そう! 彼女もまた「よくできた義母」を演じていただけだったのだ。

『こっちが本当の自分をさらけ出してはじめて、義母もそれに反応できる。そうすることで、やっと本当の会話ってものが生まれるんだ。そうじゃない上辺ばっかりのやり取りは、結局ただのお芝居だ』

おぼろ月

いい人・いい嫁・いいお母さん・いい上司……。自分がそれを演じていると、相手も同じように本当の自分をさらけ出せない。ストレスを感じる関係になるんだね

本当は言葉にしたい想い

とある心理学の本に、「相手の嫌な部分は、自分が本当はやりたいことなんだ」と書いてあった。

わたしは「ズバズバ意見を言う人」が苦手だけれど、これって自分ができなくて憧れている部分なのかも、と納得した。「よく平気であんなこと言えるなぁ」と思うけれど、本当はわたしも、相手の気持ちとか考えずに「わたしはこう思う!」と主張したいんだよね。

「これって違うんじゃない?」と思うことも、本当は言葉にしたい。

気持ちが動くままに、文章を書く。これは小学生のころ、夢中で小説を書いていた感覚とよく似ている。昔は「あの人が読んだら、どう思うだろう」なんて考えずに、好きなことを思いきり書いていたなぁ。

自分時間が生まれるドイツ式ルール

ところで、本書はドイツで70万部超の大ベストセラーになっている。2016年に発売されて4年以上にもなるのに、ドイツ・シュピーゲル誌のベストセラー・リストに入るほどのロングセラー作品だという。(ふむ、シュピーゲル誌とは何ぞ?と思ったので調べてみたら、ヨーロッパで最も発行部数が多い週刊誌らしい ↓)

ドイツで有名な本なのに、「他人の目を気にしてしまう」「周りと同じでないと不安」という日本人らしい悩みと共通していて、親近感を覚える。そして「ちょっぴり勇気を出して自分を出してみようかな」という気持ちにさせてくれる。

この本に興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

◆参考文献
『ホントはやなこと、マジでやめてみた』(アレクサンドラ・ラインヴァルト)
◆著者について
作家・プロデューサー。1973年、ドイツ・ニュルンベルク生まれ。スペイン・バレンシア在住。広告代理店で撮影コーディネーターやコピーライターとして働くかたわら執筆活動を開始。誰もが日常生活で直面する問題を掘り下げ、解決するまでを軽妙に描くスタイルが支持され、複数の作品がベストセラーになっている。(本書より引用)




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